下関の写真館の思いです

「悲しいことがあると開く皮の表紙卒業写真のあの人はやさしい目をしてる」ユーミンこと、荒井由実の有名な「卒業写真」の歌い始めのフレーズです。卒業アルバムは人生の一期間の縮図です。ところで、下関で、卒業アルバムといえば、由緒ある近所の写真館のご主人が、毎年撮影してくれました。学芸会や運動会の時には、出張して終日、大事なイベントを撮影してくれました。

その集大成が、卒業写真になります。下関でも、各地区にある伝統ある写真屋さんになると、兄弟や姉妹の卒業アルバムは、すべて同じ店が撮影します。同じ写真屋さんですから、似たような流れの編集になります。親子が同じ写真館で卒業アルバムを撮影している場合は、写真を撮ったのは先代の館主になりますが、同じDNAでしょうか、学校の伝統でしょうか、数十年経過していても、アルバムの編集が同じ流れで行われています。

今は、下関の街角のあちらこちらに、証明写真機が設置されていますが、数十年前までは写真館で撮っていました。学生証の写真や履歴書の写真、大学の入試カードに貼る証明写真もそこで撮影していました。そのため、履歴書に貼るサイズの写真でも、当時はいい値段でした。しかも、白黒写真です。

スマホやデジカメで手軽に写真が撮影できる時代ですが、写真館で撮影する写真は独特の趣があります。鴨居に掲示してあるご先祖様の写真の多くは、写真館で撮影した写真です。家の誇りと、個人の威厳が見とられます。やはり、カメラマンとしての腕前も、お店の伝統として引き継がれています。

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